人は会話をするとき、感情表現として手を動かしています。
そんな上半身の所作に伴って、着物の左右の袖口から中に着ている、襦袢の色が見え隠れします。
着物と比較すると見える分量はとても少ないのですが、その色が顔色や表情を美しく豊かにします。
そして後ろ姿や脇の動きから除く襦袢の袖の振りの色と、浴衣の帯や帯揚げ帯締めとの調和が装いを左右し座る、立つ、歩くといった全身の立ち居振る舞いも、裾から覗く襦袢の色が魅力の一つとなります。
襦袢は身体と浴衣の間にあって、重要な役割を持っているのです。
それは身体の動きに素直に従いながら、重ねて着る浴衣にもすんなりとなじんで、身体の自然美を伝えるつまり隙間にあって、二つの違う動きをしているものなのです。
襦袢の用語集として、半衿という用語を覚えましょう。
この半衿の色と素材、そして衿の合わせ方次第で装いの顔は決まります。