着物用語は普段聞きなれないものが多く、初心者にとってひとつの壁になります。
「揚げ」という言葉は、用語集において子供用の着物を大きめにつくっておき、実際に着用するときは短く縫い上げることと説明するものが多いです。
現代ではスーツのズボンの裾あげに近いイメージです。
着物の揚げの優れた点は、成長に合わせて揚げを調節できることです。
例えば、学校の制服を購入するとき、数年後の卒業する時期まで着用できるよう、大き目のサイズを購入することがあります。
そのため新入生の制服は大きくてだぼついてしまいます。
着物の揚げは、卒業の時期を見越して大きめに作ったものを、今現在の背格好に合うよう生地を重ねて縫い付け、成長すれば重なっている部分を減らし着物の丈を伸ばすことが可能です。
この技術を利用すれば、盛夏に着る浴衣を成長期であっても何年も着ることができます。